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横浜港、世界初 100%グリーン電力浮体データセンター試験開始 海上コンピューティングが AI 低炭素化の新たな解決策に

2026.05.15

 

生成 AI やクラウドサービスの急拡大に伴う計算需要の急増、土地不足、高エネルギー消費という三重の課題を解決するため、横浜港はこのほど、世界初となる再生可能エネルギー 100%で稼働する海上浮体型データセンターの実証試験を正式に開始した。「海から空間を得て、グリーン電力から効率を得る」という新たなインフラ整備の道筋を模索している。

本プロジェクトは日本郵船(NYK)が主導し、NTT ファシリティーズ、ユーラスエナジーホールディングス、三菱 UFJ 銀行、横浜市役所が連携して推進。2026 年 3 月 25 日、横浜市中区大さん橋埠頭にて試験運用がスタートし、期間は約 1 年間に設定され、技術的な実現可能性と運用の安定性を全面的に検証する。

海上浮体プラットフォーム:モジュール設計で複雑な海象に対応

試験に用いられるのは横浜港の既存「ミニ浮体」プラットフォームで、全長約 80 メートル、幅約 25 メートル。プレハブ式モジュール工法で建造され、造船所で機器を一式組み立てた後、直接対象海域へ浮かべて搬入可能。陸上での地盤改良や耐震補強が不要で、建設コストと工期を大幅に削減できる。

プラットフォームには主に 3 つのシステムが搭載されている。

  • コンテナ型データセンター:標準ラックとサーバー群を統合し、AI 学習・クラウドストレージなど多様な計算需要に対応
  • 44 キロワット太陽光発電アレイ:主要電力供給源として、高効率蓄電池と連携し、電力の安定配分と予備電力を確保
  • 海洋環境適応システム:海上の高塩分・高湿度・波浪の揺れに対し、機器の防食・揺れ抑制設計を強化し、過酷な環境下での連続稼働を保障

1 年間の実証試験:4 つの核心検証目標を設定

今回の試験は 2027 年 3 月まで実施され、海洋環境適応性、グリーン電力供給の安定性、エネルギー管理効率、商業化の実現可能性の 4 つの側面から全期間を通じて検証を行う。

  1. 耐候性検証:波浪による揺れ、海水塩分による腐食、台風など過酷な海象に対する機器の耐性を継続的に測定し、防護方案を最適化
  2. グリーン電力安定性試験:曇天や夜間など日照変動時における太陽光発電+蓄電システムの供給持続性を検証し、計算負荷の無停止運用を確保
  3. エネルギー効率分析:エネルギー変換効率・PUE(電力使用効率)など重要指標をリアルタイムで追跡し、エネルギー管理手法を改良
  4. 商業化ルート模索:浮体プラットフォームの増設可能性を評価し、洋上風力発電との連携可能性を研究、今後の大規模運用に向けた基礎データを蓄積

世界の海上コンピューティング競争:中日韓が新技術を相次いで発表

横浜港のプロジェクトは特例ではなく、世界的に海上データセンターの革新ブームが加速しており、各国が差別化された技術路線を打ち出している。

  • 中国上海臨港:世界初「洋上風力直結+海水冷却」海底データセンター。総投資 16 億元、計画容量 24 メガワット、PUE1.15 以下、グリーン電力利用率 95%超。深海の低温海水を自然冷却に活用し、冷却エネルギーを 60%以上削減
  • 韓国サムスン重工業:50 メガワット級浮体データセンターが船級協会の認証を取得。大型浮体+洋上風力発電の連携モデルを主力とし、2028 年までに商業化を目指す
  • シンガポールケッペルグループ:25 メガワット級浮遊式データセンターの着工が進む。水上モジュールと海水冷却を採用し、国土・水資源不足の課題に対応

業界の価値:AI 計算インフラの構造を再構築

日本郵船の高官は、横浜港の 100%グリーン電力浮体データセンターは世界における海上カーボンニュートラルコンピューティングの歴史的節目と評価する。試験が成功すれば、3 つの大きな強みが生まれる。

  • 土地の制約から解放:陸上の土地資源の限界を脱し、沿岸都市の計算需要拡大に対応
  • カーボンゼロ運用:太陽光+蓄電池による完全グリーン電力で、データセンター業界の炭素達成目標を支援
  • 柔軟な増設:モジュール式浮体は必要に応じて連結・拡張可能。今後は洋上風力発電団地と連携し、「風力・太陽光・蓄電・計算」が一体となるグリーンコンピューティング拠点を形成

現在、AI の計算需要は年率 60%以上のペースで急増しており、従来の陸上データセンターは「エネルギー消費の天井」と「土地利用の上限」という二重の制約に直面している。横浜港の実証試験の推進は、日本の計算需要危機への解決策となるだけでなく、世界のデータセンターの低炭素化・海洋化転換に重要な参考事例を提供し、デジタル経済・海洋経済・新エネルギー産業の深い融合を促進する。

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